兼清外科

兼清外科|光市 浅江の外科・内科・肛門外科

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日帰り痔の手術

日帰り痔の手術

日帰り手術というのは術後の入院がなく、手術当日に自宅へ戻って術後を過ごすことができるものです。
以前は必ず入院をしていた疾患も、近年は日帰りまたは短期入院で行えるケースが増えています。
痔疾患では、痔核・裂肛・痔瘻など殆どの痔疾患が日帰り手術で行うことができます。

日帰り手術を行うには

日帰り手術を行う場合、まず日帰り手術が可能か確認します。
目安として下記の5つの項目を基準とし、入院手術と同様に全身状態のチェックが必要となります。

1.年齢が75歳以下が望ましい
2.全身状態良好で重大な合併症(心疾患や脳血管疾患等)を持たない
3.術後経過の説明を十分理解し、術後の処置が自分で行える
4.術後の緊急時にも対応できる状態にある(緊急時に病院に連れて来てくれる人が近くにいる)
5.可能であれば通院にかかる時間が1時間以内

また、痔疾患以外の糖尿病・狭心症・不整脈などの内科的疾患があり、血糖降下剤や抗凝固剤など、手術時に影響を及ぼすような薬を服用している場合は、リスクに応じて個々に術式を考慮します。入院加療が必要な場合は、当院は周南記念病院や光中央病院と連携をとっています。

 


手術の種類

外来での手術も、入院で行う手術も基本的には同じ方法で行います。
違いとしては、術後の帰宅ができるよう、術後早めに麻酔が切れる必要があるため、手術中はしっかりと麻酔が効き、且つ手術終了後早めに麻酔が切れる方法で行うことになります。多くは仙骨硬膜外麻酔という麻酔法で行います。尾底骨近くの仙骨に麻酔を行うと肛門周囲のみ鎮痛効果が得られるというものです。
重篤な合併症を抱えている、あるいは抗凝固薬や抗血小板薬を服用しているなどのリスクが考えられる場合は、局所麻酔のみで手術を行うこともあります。
術後1時間半ほど休んでいただき、血圧や傷の状態、歩行などに問題なければ、帰宅することができます。

①内痔核

1.結紮切除法
内痔核に対して一般的に行われる方法で、痔核を肛門内から肛門縁の外側まで切離し、痔核を切除した粘膜面を半閉鎖する方法です。当院ではレーザーメスを使用するため、出血量は少なく、また術後の疼痛も少ないのが特徴です。副痔核などの小さい痔核に関しては、レーザーにて痔核を内照射後に、ALTA注射療法を併用します。
手術時間は20~30分ほどです。

2.ALTA(ジオン)注射療法
ALTA(ジオン)という痔核を硬化縮小させる注射を行う方法です。
あまり外痔核部分が大きくない痔核には有効で、切除することがないため術後の疼痛・出血が少ないのが特徴です。

ALTA(ジオン)注射療法の詳細はこちら ≫

②裂肛

裂肛はまず、坐剤・軟膏・生活指導などで治療を進めますが、経過があまりよくない場合や肛門ポリープなどができているような場合は、手術を行うことがあります。

1.側方内括約筋切開術
裂肛の原因とされる肛門括約筋の過度の緊張を取るために、内括約筋の一部を切離して緊張をとる方法です。
ほとんどが肛門ポリープやスキンタグなどがある場合ですので、同時に切除します。

2.肛門形成術
慢性裂肛の結果肛門狭窄をきたしたものに対する手術法です。
括約筋の一部を切開して狭窄を改善、裂肛の結果形成された肛門潰瘍や肛門ポリープなどを同時に切除するものです。

③痔瘻

一般的な痔瘻は低位筋間痔瘻といい、瘻管が直線的で後方にできるものがほとんどです。
場合によっては瘻管が肛門周囲に回り込むような事もあります。
それぞれ肛門機能を損なわないような方法で、瘻管の入り口となる原発口と出口となる二次口をふさぐような手術を行います。

1.瘻管切除ならびに肛門括約筋形成術
痔瘻の原因となっている瘻管を切除し、括約筋を再形成するものです。
一般的には、瘻管を切除した後は、開放創とすることが多いですが、大きく括約筋を切開すると、術後治癒創の引きつれなどで肛門が変形をきたし、機能が損なわれることがあります。
当院では、術式の工夫により、括約筋の損傷を最低限とし、また括約筋を再形成することで、術後の肛門機能温存に努めています。
膿瘍腔が大きい坐骨直腸窩痔瘻の場合でも、瘻管の走行が単純な場合はこの方法を行います。

2.シートン法
瘻管に輪ゴムを通し時間を掛けて瘻管を開放する方法です。
一期的に切開開放する方法より括約筋の損傷が少なく、機能が比較的保たれる利点があります。
完全に解放されるまでに多少時間が掛かり数ヶ月かかることもあります。
痔瘻の形が複雑で、切除範囲が大きくなるような場合や、全身状態が不良で定型手術が困難な場合に選択されます。

④その他

直腸脱や尖圭コンジローマ、膿皮症といった肛門周囲にできる皮膚疾患なども日帰り手術で行うことができます。